英語の聞き流しはTOEICには非効率な学習法
「TOEICに英語の聞き流しの学習は有効ですか?」という質問を最近数回受けました。
結論から先に言ってしまえば、
「有効ではありません、非効率な学習方法です」
というのが私の意見です。
その理由をこれから述べていきたいのですが、その前に、なぜ最近になって突然このような質問を受けるようになったのかに気がつきました。
「英語の聞き流しでTOEICの点数が上がった、高得点が取れた」という趣旨の広告を出している業者がいくつもあるからです。
この手の広告をもちろん私も目にするのですが、私は「聞くだけで英語が上達する」という主張に対して必ずしも良い印象を受けるわけではありません。
「英語をただ聞くだけで英語が話せるようになる」「ただ聞くだけで英語が上達」という広告を見るたび、「いやいや、それ本当なの?その主張を裏付ける根拠とかちゃんとあるの?」と、真剣に英語を勉強してきた私は否定的に思ってしまいます。
そして、最近になってその市場を広げたいがためにか、「英語の聞き流しがTOEICにも有効だ」という広告を出し始めたのかもしれません。
このような広告を多くの人が目にしていて、結果、私に「TOEICに英語の聞き流しの学習は有効ですか?」という相談がくるようになったのだと思います。
話がそれてしまいましたが、本題に戻し、「TOEICに英語の聞き流しの学習は有効ですか?」ということについて私の見解を述べていきます。
ご存知のとおり、TOEICはリスニングとリーディングの試験です。
英語の聞き流しは、当たり前ですがリスニングであり、リーディングではありません。
この事実からお分かりのとおり、聞き流しの学習はTOEICにおいてカバー率が50パーセントしかないわけです。
そのため、聞き流しの学習のみでリーディングも何とかしようと考えることが非現実的になります。
TOEICにおいて配点の50パーセントを占めるリーディングを捨てた学習をしていては高得点は絶対に取れません。
続いて、リスニングセクションは英語の聞き流しが有効かという点についてです。
TOEICのリスニングは、出題形式が決まっています。
ですので、仮に聞き流しの学習をするとしても、TOEICの出題形式に沿ったものでなければ効果は期待できません。
また、仮にTOEICの出題形式に沿ったものを聞き流すにしても、それよりも重要なことがあります。
それはやはりテクニックです。
TOEICのリスニングは、問題文を先読みして回答していくというテクニックがもっとも重要で、聞き流しの学習ではこのテクニックを体に覚えさせることができません。
つまりは、ガチの聞き取りの力をつけることでTOEICの点数を上げようとした学習法であり、テクニックで戦っている人と比べればかなり非効率な学習法になります。
言ってしまえば完全に遠回りです。
私の意見としては、英語の聞き流しの1時間が普通のTOEICの勉強の10分程度に相当するのではないかと思っています。
効率的に学習を進めて点数をアップしたいのなら、テクニックを駆使したTOEICの学習をするべきです。
英語の聞き流しがTOEICに全く効果がないとは言いませんが、TOEICを最速最短で点数アップするには、テクニックしかありえません。