ネイティブスピーカーとTOEIC

ネイティブスピーカーの点数は実はこんなもの・・・

あなたの点数アップには直接関係のない話ですが、TOEICという試験の性質を理解するのに役立つ話をしていきます。

 

TOEICとは知ってのとおり、英語力を測定するための試験です。

 

もっと詳しく言うのであれば、ビジネス用の英語力を測定する試験です。

 

英語力の測定ということで、英語を母国語とするネイティブスピーカーがTOEICを受験すれば当然990点満点を取るのだろうと思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。

 

「残念な人の英語勉強法 著者:山崎将志氏」の55ページによると、24人のネイティブスピーカーにTOEICを受験させたところ、全問正解をできたネイティブスピーカーは0だったとのことです。

 

そして驚くことに24人の中で最低点数だった人は785点だったのです。

 

英語が話せない日本人でも800点を超す人が多数いるTOEICでネイティブスピーカーが800点を割るとは考えがたいものです。

 

なぜネイティブスピーカーなのにこの程度の結果しか出ないのか、われわれが日本語のテストを受けるのであればもう少し良い結果が出せると感じませんか?

 

実はここにTOEICという試験の性質が表れています。

 

なぜネイティブスピーカーでもTOEICで満点はおろか点数が取れないのか、その理由は大きく3つあります。

 

試験時間に対して問題数が多すぎる

 

このサイトで何度も強調していますが、TOEICのリーディングで読まなければならない文章量というのはかなり多いです。

 

よほどの高得点を取る人でなければ制限時間内にすべての問題を解くことができません。

 

また、高得点を取る人の中でもすべての問題を読むことなく答えに関連する箇所のみを読むという方法で戦っている人も相当数います。

 

たとえ英語が母国語の人であっても「速読力」を求められるゆえに速読力がない人は点数を取ることができないものです。

 

英語力だけでなく集中力と短期的な記憶力も問われる

 

読まなければならない文章量が多いということと似ていますが、やはり制限時間内にすべての問題を処理するという集中力勝負の側面がTOEICにはあることも一因になっています。

 

試験時間の2時間をぶっ通しで集中力を発揮することは、普段から試験というものに慣れていない人にとっては酷なものがあります。

 

私たちが今さら国語の試験を2時間ぶっ通しで受けろと言われても同じことを感じるでしょう。

 

また、パート3やパート4、パート7などは回答をするために短期的な記憶力も必要になります。

 

問題文で言及されていることを頭の中に記憶し、その記憶がある状態でないと回答はできません。

 

つまりは、TOEICでは短期的な記憶力も重要になるということです。

 

私たちが日本語でニュースを聞いた後、そのニュースの内容の大部分を覚えていないのと同じことで、これはその人の能力に依存しています。

 

誰もが持ち合わせているわけではないのが短期的な記憶力です。

 

TOEICの点数には英語力だけでなく集中力と短期的な記憶力も問われている、これがネイティブスピーカーでも点数を取りこぼす理由です。

 

正確な文法知識が問われる

 

厳密には文法上は不正解でも普段の会話の中では違和感なく使っている言葉というものがあります。

 

また、似たような選択肢ばかりの問題では正解だと感じたものの時間をかけて考え直せばそれが不正解であったと気づく問題もあります。

 

これらのような「細かい正確な文法」が問われる問題をネイティブスピーカーは間違う傾向があるようです。

 

逆にこの手の問題というのは、ノンネイティブで高得点を取る人の方が意識的に勉強をしているため正解できる傾向にあると感じます(まさに私のことですが)。

 

 

このような理由からネイティブスピーカーであっても満点を取ることができないのがTOEICです。

 

この事実から言えることは2つあります。

 

そもそも満点なんて目指して勉強をするものではないということ。

 

もう1つは英語力以上に集中力やテクニックが問われるのがTOEICであるということ。

 

やはり私のようにテクニック主導でTOEICを攻略するのが賢い方法だと言えます。