TOEICとTOEFL

どちらを受けるべきかはTOEICとTOEFLの違いから分かる

「TOEICとTOEFLの違いは何ですか?」「どちらを受験すればよいですか?」という質問をたまに受けるので、それについての私の回答をまとめていきます。

 

いきさつとして、私はTOEICで900点を取り、TOEFLへも参入しようと考え、書籍(以下の写真)を購入し、情報収集をしている段階でTOEFLの受験を止めることにしました。

 

TOEFLテスト一発で合格スコアを取る勉強法

 

なぜ私が断念したのかその理由を聞けば、TOEICとTOEFLの違いがよく分かるはずです。

 

TOEICと名前がよく似ているTOEFLは「トーフル」「トッフル」と呼ばれます。

 

TOEFLとは、Test of English as a Foreign Languageであり、直訳してしまえば「外国語としての英語の試験」です。

 

それに対してTOEICは、Test of English for International Communicationであり、意味は「国際的なコミュニケーションとしての英語の試験」です。

 

正直なところ、これら2つの意味の違いはよく分かりませんが、ともにETSというアメリカのテスト機関が主催しています。

 

そのため名前が似ているわけです。

 

TOEICとTOEFLの違いは、TOEICはビジネス上での英語のコミュニケーション能力を測定する試験であり、TOEFLは英語圏の大学や大学院に入学するために必要になる試験、つまりは留学のために必要な試験ということです。

 

たぶんこれだけでほとんどの人が自分にとってTOEICが必要なのか、TOEFLが必要なのかがお分かりになったはずでしょう。

 

そうなんです。

 

TOEFLとは、英語圏の大学や大学院に入学を希望する人に限って必要になる試験なのです。

 

(たしかに自民党の教育再生実行本部は日本すべての大学の入学と卒業時の英語運用能力テストにTOEFLを採用することを義務づけるとの提をしましたが、これも2013年の話であり、そこから現在まで話が進展していません。やはり実現は難しいでしょう。)

 

これって対象となる人の範囲がかなり狭いと思いませんか?

 

日本の大学や大学院を目指すのには必須というわけではなく、英語圏の大学や大学院への入学のみを希望する人は決して多くはないと思います。

 

英語圏の大学や大学院に進路を絞っている人なら問題ありませんが、英語圏の大学も視野に入れているという状況においてはTOEFLに絞って勉強するよりも、汎用性が高いTOEICを勉強した方が良いと思います。

 

ハッキリ言っておきますが、就職や転職、社内での出世、日本国内の大学進学についてはTOEFLの重要度は高くなく、必要なのはTOEICです。

 

実際の試験の題材としても、TOEICは汎用的なビジネスシーンでの英語になります。

 

それに対して、TOEFLでは芸術、美術、文学、生物学、医学、科学、物理学、化学、経済学、社会学などが題材になっています。

 

この点からもTOEFLが大学受験のためのテストであることが分かるはずです。

 

TOEFLは、どちらかと言えばTOEICよりも英検に近い内容であり、社会人にはあまり役に立ちません。

 

そのため、社会人として今の会社での出世、あったとしても転職のみを考えている私にはTOEFLよりも断然TOEICが必要です。

 

もちろん社会人でもTOEFLの点数があれば有利だとは思いますが、TOEICの点数があればそれを十分にアピールできるので、TOEFLの点数はなくても影響はないでしょう。

 

実際に転職サイトなどで求人案件を見てみてください。

 

TOEICを応募条件に挙げている企業は多くとも、TOEFLを応募条件に挙げている企業はほとんどありません。

 

また、TOEFLを応募条件に挙げている企業は、TOEFLもしくはTOEICが必要というケースがほとんどで、TOEFLのみを評価している場合はほぼないでしょう。

 

私がTOEFLの受験を断念した理由はこれだけではありません。

 

TOEFLと呼ばれるTOEFLも厳密には、TOEFL iBT、TOEFL PBT、TOEFL CBT、TOEFL ITPの4つの違いがあります。

 

TOEFL iBT

 

 

iBT・・・Internet-Based test

 

2006年以降に実施されている現行のTOEFLで、インターネットに接続して試験を受けるもの。

 

Reading30点、Listening30点、Speaking30点、Writing30点の合計120満点。

 

 

TOEFL PBT

 

 

PBT・・・Paper-Based Test

 

2006年よりも前に実施されていたTOEFLで、紙面上で回答する形式のもの。

 

Listening Comprehension68点、Structure and Written Expression68点、Reading Comprehension67点。

 

採点方法は以上3つの点数を合計し、合計値を3で割ったものに10をかけた点数となり、満点は677点。

 

 

TOEFL CBT

 

 

CBT・・・Computer-Based Test

 

2006年よりも前に実施されていたTOEFLで、パソコン上で回答する形式のもの。

 

試験内容や配点はPBTと同じ。

 

 

TOEFL ITP

 

 

ITP・・・Institutional Testing Program

 

企業などで団体受験するTOEFLであり、紙面上で行われる。

 

TOEICでいうIPテストに当たるもの。

 

Listening Comprehension68点、Structure and Written Expression68点、Reading Comprehension67点、Test of Written English61点。

 

PBTと同様に採点し、それにTest of Written Englishの点数を加えたものが結果となる。

 

上に書いたとおり、TOEFLには4つの方式があるため、iBTとなった今現在も点数が統一されていません。

 

さすがにこれだけ統一されていないとTOEICほど世間に浸透しないのも理解できますし、今後も浸透するのは難しいでしょう。

 

実際に「TOEIC900点」と言えば、TOEICを受けたことがない人でも、社会人であればそのすごさを分かってくれます。

 

しかし、「TOEFL iBT100点」と言われても、ほとんどの人はiBTが何なのか、100点はすごいのかすら分からないはずです。

 

TOEIC900点はTOEFL iBT100点相当なのですが、多くの人はTOEFL iBT100点にTOEIC900点の価値があるとは思いません。

 

残念ですが、このようにTOEFLはTOEICほど認知されていないが現実です。

 

問題はこれだけではありません。

 

現在のTOEFL iBTは全てインターネット上で行われます。

 

そのため、リーディングでは画面上の文字を読んで理解する必要があります。

 

ライティングではキーボードをタイピングして回答しなければなりません。

 

従来の試験のように紙面上で行われないTOEFLはとても参入障壁が高く、また、好んで挑戦したい人は多くないでしょう。

 

さらには受験の申し込みも試験当日の流れも複雑です。

 

私はこれらの情報を知ってしまったので、ちょっと面倒すぎてTOEFLを受ける気にはなれません(汗)

 

TOEICだけで十分ですし、TOEICのみに絞って学習した方が効率も良いです。

 

何より、TOEFLはスピーキングの試験があるので、TOEICのようにテクニックで点数を取れてしまうことがありません。

 

英語力が身につくというのは事実ですが、TOEICのように即効性がないので、本気で取り組む気がない人はTOEFLは受験しても結果は得られないでしょう。

 

ということで最後に断言しておきますが、今後も日本はTOEICです。

 

TOEFLは残念ながら試験の仕組み上、多くの人に浸透することは難しいでしょう。