リーディングセクションパート7の勉強法&攻略法
パート7の出題形式について
パート7は長文読解の問題です。
さまざまな長文が用意されていて、それぞれの長文につき問題が出題されます。
長文ごとに出題される問題数は異なります。
それぞれに問題の選択肢は4つで、その中から長文の内容に合ったものを選択します。
1つの長文でできた問題から29問、2つの長文でできた問題から10問、3つの長文でできた問題から15問、全部で54問です。
パート7の戦略について
パート7をどのように解くかは目標とする点数によって大きく変わってきます。
まずは自分が何点を目指し、どのようなスタンスでこのパート7に挑んでいくのかを知ることからはじまります。
点数ごとの攻略法はこのページで引き続き詳しく説明していきます。
パート7はTOEICの試験の最後の問題であり、また最難関でもあります。
私はパート7が苦手だという人は多数知っていますが、パート7が得意だという人は知りません。
速読力、長文読解力、語彙力、集中力、情報処理能力などさまざまな要素がすべて組み合わさって高得点が取れる、これがパート7です。
また、試験の最後ということで体もヘトヘトです。
最後の力を振り絞って挑むという心構えを持つようにしましょう。
パート7の攻略法について
パート7で絶対にしてはならない問題の解き方は、長文をはじめから読んで、その後に問題文を読んで回答をしていくという解き方です。
また、それぞれの文章を文頭から読まずに文末から戻るように読んで意味を理解しているようではパート7には太刀打ちできるはずもありません。
これは中学の英語の授業などで教えられた「戻り読み」というものです。
今現在、もしあなたが戻り読みをして英文の意味を理解しているのであれば、今すぐにそれを止めてください。
とにかく英文は文頭から読んで、読んだまま意味を理解していかなければなりません。
言葉にすると難しく感じることですが、そのための第一歩としてできることは今すぐ戻り読みを止めることです。
戻り読みを止めることによって、英文を文頭から読んで理解していくことに対する慣れがはじまります。
そして、英文は文頭から区切るイメージで読んで、頭の中で意味を構築して理解するようにしましょう。
これを詳しく説明するために以下の一文を例にします。
The president of the company announced a new plan to employ more than 100 people as line workers.
この長い例文を文頭から読んで意味を理解していくためにすべきことは、区切りのいいところごとに意味を理解していくという方法です。
The president of the company
その会社の社長は
announced a new plan
新しい計画を発表した
to employ more than 100 people
100人以上の人を雇う
as line workers.
ライン作業員として
このように区切りのいいところごとに意味を理解して、最後にそれを頭の中で構築すると、
「その会社の社長はライン作業員として100人以上の人を雇う新しい計画を発表した」
となります。
これによって読んだ英文の意味を文頭から理解することができるようになります。
パート7でも問題文を先読みすることが鉄則
リスニングセクションのパート3とパート4では問題文を先読みするようにと何度も説明をしました。
パート7でも先読みは必須です。
パート3やパート4と同様に、問題用紙の中に質問文とその回答の選択肢が記載されています。
真っ先にこれらを読んで、何が問われるのかを知った上で長文に取りかからなければなりません。
目指す点数によって先読みの仕方が変わってくる
まずは800点以上を目指す人の戦略です。
(重要なことを書いているので800点未満の点数を目指す人もお読みください。)
800点以上を目指す人は、時間内にパート7のすべての問題を回答することが理想です。
そのためにすることは、質問文と回答文をすべて先読みすることです。
そして、あらかじめ何が問われるのかを知った上で長文を読み始めます。
長文を読みながら答えになる箇所がありしだい再び質問文に戻り、回答をマークしていくという手順になります。
また、厳密に言えば2通りの先読みの仕方があります。
質問文と回答文を両方読んだ上で長文を読み、答えの箇所が来たら質問文に戻り回答をする
質問文のみを読んで、長文を読む中で答えがある箇所に来たら質問文に戻り、そのときはじめて回答文を読んで回答をする
私は最近は後者の方法をとっています。
前者のメリットは、あらかじめ回答文も読んでおくので長文を読む中で答えを見つけやすいということです。
デメリットは、先読みする量が増えること、先読みしたものを頭の中で記憶として留めておく量が増えることです。
後者のメリットは、先読みする量が減ること、そして先読みする量が少ないので頭の中の短期的な記憶の領域を使う量が減り、問題に集中できることです。
デメリットは、前者と比べて答えになる箇所を見つけづらくなることです。
この2つの方法はどちらが優れているというわけではなく、本人にどちらが合うかによるところが大きいです。
練習やTOEICの本番を通して、どちらの方法が自分には合っているか、スタイルを確立するようにしましょう。
800点以上の点数を目指す人は、基本的に長文をすべて読むようにした方がいいと思います。
長文の中で答えになる箇所を探しにいくいわゆるスキミングという方法もありますが、これは〜800点程度の点数を目指す人が取る方法です。
確かにスキミングで答えになる箇所だけをピンポイントで読んでいくという方法でも正解にたどり着けますが、間違ってしまう可能性も高くなります。
そのため、まっとうに長文をすべて読んでいく方が正解率は高くなります。
次は、600点〜800点を目指す人の戦略です。
この域の点数を目指す人の戦略としては、800点以上の点数を目指す人と同じで、まずは問題文と質問文を先読みしてしまうことです。
そして、あらかじめ何が問われるかを知った上で長文に入っていくようにしましょう。
長文を読むスピードに自信がない人は、先読みする量を限定するのも賢い戦略です。
問題が4つある長文であれば、はじめから1問捨てるつもりで3問しか先読みしないということもありだと思います。(どの問題を捨てるべきかは後述します)
自分の実力と目指す点数に応じて先読みする量を決定していくようにしましょう。
また、600点〜800点程度を目指す人は長文を全部読むよりも、答えになる箇所をピンポイントで読むスキミングをした方がいいと思います。
問題文と質問文を読んで何が問われるかを理解します。
そして、長文を頭からしっかりと読んでいくのではなく、なんとなくで答えがありそうな箇所を探しながら読んでいくという方法です。
これは日本語の新聞を読む感覚と似ています。
新聞を一字一句逃さずにしっかりと読んでいる人はいないと思います。
そんなことをしていたらそれだけで1日の時間の多くを失ってしまうからです。
サラっと全体に目を通して、その中で重要だと思われる箇所のみを読んでいる人がほとんどだと思います。
これを英語の長文でも行います。
例えば、「何時に始まりますか?」という問題があれば問われるのは時間です。
長文にサラっと目を通し、その中で時間が記述されている箇所を見つけて、その周辺のみを読んで答えを見つけるという方法です。
スキミングは慣れが大切です、慣れれば少しずつできるようになっていきます。
スキミングは長文を読む量を減らすことができますが、その分、正解率が落ちてしまうものです。
この点には注意をしましょう。
最後に、〜600点程度を目指す人の戦略です。
〜600点を目指す人も先読みは必須です。
ここで考えることは、どれだけの量を先読みをするかということです。
基本的に各長文の最初の問題は「何ついて書かれていますか?」という文章全体の内容を問うものが多いので回答がしやすいです。
このように回答しやすい問題としづらい問題があるので、回答しやすい問題のみを先読みして解いていくといいです。
回答しやすい問題としづらい問題については後述します。
すべての問題を解けないことを前提に、試験終了時刻の1分ほど前になったら未回答の問題を適当にでもすべてマークするようにしましょう。
いかなる点数を目指す人でも、空欄がある状態で解答用紙を提出するべきではありません。
適当で構いませんので、必ずすべてのマークを塗りつぶした状態で回答用紙を提出するようにしましょう。
どんな問題が出題されるの?
まずは回答をしやすい問題から説明していきます。
先読みする量を限定する場合、これから説明する回答しやすい問題を先読みすることで確実に点数が取れるようになります。
文章全体の流れを問う問題はイージー
それぞれの長文の1問目に出題されるのがこの手の問題です。
「何についての話ですか?」や「この話の目的は何ですか?」という問題です。
この手の問題というのは、長文の中のありとあらゆるところにヒントがあります。
例えば、空港に関連した問題であれば、「passport」や「airport」、「flight」、「passenger」などの空港に関連した単語が長文の中に登場します。
長文読解力がないとしても、これらの単語を見た瞬間、「この問題は空港に関連した問題だ」とすぐに分かるはずです。
そのため、もっとも簡単な問題になります。
だいたい長文の冒頭に大きなヒントがあり、そこを読むだけで回答できてしまいます。
ピンポイントで答えを問う問題もイージー
「何時に集合ですか?」や「何が必要ですか?」のようにピンポイントで答えを問う問題もリーディングでは簡単な問題です。
リスニングの場合は、この手の問題は難しいと説明をしたのですが、リーディングでは簡単な問題になります。
リスニングの場合、答えになる箇所を聞き逃したらそれで終わりでしたが、リーディングの場合は何度でもそれを探すことができます。
そのため、この手の問題は長文をくまなく見さえすれば正解にたどり着ける可能性が大です。
以上の2つがイージーな問題なので、先読みする量を限定する場合はこの手の問題を優先的に先読みするようにしましょう。
not問題は回答に時間がかかる
「この文章の内容に当てはまらないものはどれか」のような「not問題」は回答に時間がかかります。
長文をすべて読んでその中で唯一該当しないことを選ぶ必要があるからです。
このような理由から、スキミングをする人が捨てるべき問題はこのnot問題です。
しかし、逆にnot問題を逆手に取ることもできます。
not問題とは長文の内容に該当しないものを選ぶ問題なので、裏を返せば4つの選択肢のうち3つは長文の内容に合っているということです。
つまり、not問題を先読みしておけば、あらかじめ有力な情報を持った上で長文を読みはじめることができるわけです。
とは言っても、ものすごく有効かと言われればそうでもないので、こんなワザもあるのだな程度で知っておいてください。
語彙を問う問題も難しい
必ず1つ2つと毎回出題される、「2段落目の5行目にあるこの単語と同じ意味のものはどれですか」という問題があります。
この手の問題は基本的にパート5やパート6の語彙問題と一緒で、語彙を知らなければ解けない問題になります。
もしくは文脈から推測して回答をしなければなりません。
この手の問題は、まずは長文の中のどの単語かを見て、その単語を知らなければあきらめましょう。
仮にその単語を知っていたとしても、回答の4つの選択肢を見て自分の知らない単語が多ければ潔く捨てましょう。
知っている人には秒殺できるが知らない人は解けないのがこの手の問題です。
推測問題も時間がかかる
「この文章の内容にもっとも近いことは何ですか?」や「この文章から推測できることは何ですか」という問題も回答に時間がかかります。
答えがピンポイントであるわけでもなく、文章の中で1つヒントをつかめば回答できるものでもありません。
すべての文章を読んでその上で判断をしなければならないので、高い点数を目指さない人は捨てるべき問題だと言えます。
パート7攻略のための細かいテクニックについて
これまでにざっくりとどのような問題があり、どのような問題を捨てるべきかを説明してきました。
ここからは点数を取るためのさらに細かいテクニックに入っていきます。
答えはほぼ順番にあると考えて大丈夫
パート7の長文では、ほぼ問題の順番に長文の中に答えがあると考えて大丈夫です。
注意していただきたいのは「ほぼ」ということです。
まれに例外がありますが、基本的には問題の順番に答えがあると思って問題を解いていきましょう。
答えはほぼ均等に配置されていると考えて大丈夫
パート7の長文では、答えはほぼ均等に配置されていると考えて大丈夫です。
すべての答えが長文の前半に固まってあるとか、後半に固まってあるということは滅多にありません。
答えは長文の中に均等にあると考えて探していくようにしましょう。
複数の長文でできた問題
パート7の最後には2つ・3つの長文からできた問題が出題されます。
これがパート7の最難関です。
これら複数の長文からできた問題も答えがある箇所に偏りはありません。
1つ目の長文にすべての答えがあるということや、2つ目の長文にすべての答えがあるということは絶対にありません。
そして、質問の順番に答えは配置されていることがほとんどなので、この複数の長文からできた問題だけは回答する手順を少し変えた方が効率的です。
手順として、まずは1つ目の問題文と質問文を読んで何が問われるかを知ってから長文を読み始めます。
長文を読む中で答えが分かったら回答をして、2つ目の問題文と質問文を読み、次は何が問われるかを確認します。
先ほどの続きのところから長文に戻り、また2つ目の答えを探しにいきます。
答えが分かったら回答をして、3つ目の問題文と質問文を読む・・・
このように1問ずつ回答していくことが2つの長文からできた問題では有効になります。
メール形式の長文の注意点
e-mailや手紙などメール形式の長文が必ず出題されます。
メール形式の問題の場合は、誰から誰への内容かをはじめにチェックするようにしましょう。
e-mailの場合は、「to 人名」は受取人を表し、「from 人名」は差出人を表します。
このように誰から誰への内容かをはじめに知っておかないと長文の内容を適切に理解できなくなります。
人名や地名など固有名詞の扱い方
パート7の長文では必ず人名や地名、会社名などの固有名詞が登場します。
これらの固有名詞について、自分が馴染みのないものであればその固有名詞の綴りや読み方を確認する必要は一切ありません。
これはあくまでも例えですが、「Murugeshalakshmanan」という人物名(インド人の名前)が登場した場合、この人物名を何と読めばいいのかということに気を取られてはなりません。
この人物名の正式名が分かったところで点数に影響はないからです。
読み方はどうでもよく、頭文字の「M」だけを見て「Mさん」と頭の中で考えるようにしましょう。
また、固有名詞は大文字で書き出すというルールがあるので、文中から探し出すときは大文字に着目をすると速く見つけることができます。
パート7の勉強法について
パート7の勉強法としては、上で説明した攻略のためのテクニックや戦略を意識しながら問題を解いていくことです。
そして、問題を解くときは必ず時間を計りながら解くようにしましょう。
時間内に多くの問題を解くことが点数アップにつながります。
速く解くという意識付けのためにも必ずストップウォッチで時間を計りましょう。
また、長文を読む力をつけるためには、単純に長文をたくさん読むことです。
TOEICの問題や英字新聞を読むなどして長文に慣れる必要があります。